歳時記

孫たちの朝風呂

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 風邪気味なので、大事をとって今朝は早起きはせず、8時まで寝ていた。
 階下が賑(にぎ)やかなので降りてみると、近所の孫二人が遊びに来ていた。
 孫は5歳の男児と3歳の女児だが、二人とも素っ裸。
 愚妻がバスタオルで全身を拭いてやっている。
「どうした?」
 愚妻に訊くと、
「風呂」
 ぶっきらぼうに答える。
「いかんな、子供のうちから朝風呂とは」
「あなたが教えたんでしょ。ウチへ来ると、朝風呂に入るもんだと思っているのよ」
 そういえばいつだったか、孫が遊びに来たとき、朝風呂に浸かっている私を見て、
「あっ、朝からお風呂入って、おかしいな」
 と笑ったことがある。
 このとき私は、
「バカもの。この家は、朝も夜も風呂に入ることになっておる」
 とかなんとか言って正当化したことがあるのだ。
 私は朝早く道場内の仕事部屋に行くから知らなかったが、それ以来、孫たちは我が家に来ると、朝風呂に入ることにしているのだそうである。
「悪いことを教えるのは全部、あなたなんですからね」
 ブツブツ言いながら、愚妻はせっせとバスタオルで孫たちを拭いていた。
 朝風呂という〝人生の至福〟を教えることが悪いことなのだろうか。
 お金をつかうわけでもない。
 人に迷惑をかけるわけでもないではない。
 安価な至福ではないか。
 愚妻にそう抗議しようとして、やめた。
「至福なのは、あなただけでしょ。みんな忙しくしているのよ」
 そう言って噛みつくに違いないからである。

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