1カ月ぶりに九十九里の仕事部屋にやってきた。
バタバタと忙しく、なかなか時間が取れなかったからだ。
いつものように温泉健康ランドへ出かけ、帰途、いつものようにイタメシ屋へ寄った。
野菜がおいしい店で、私のお気に入りの一店である。
肉を食べないので、メインデッィシュは魚のグリルにしたが、注文してふと思った。
(フォークにナイフじゃなく、箸がいいんじゃないか?)
魚を注文したことからの連想だったのだろう。
で、野菜サラダ、スープ、パスタと順次出てくるのだが、これがちっともおいしくないのである。
うまい店なのに、これはどうしたことかと考え、原因が「箸(はし)で食べる」にあることに気がついたのである。
うどんとソバは箸でツルツル、パスタはフォークとスプーンを使ってクルクルク。
日本料理の煮魚、焼き魚は箸で小骨を選り分けながら食べるのがうまく、切り身のグリルにソースがかかったイタメシは、ナイフとフォークで食べてこそうまい。
サラダを食べている途中で、箸を放棄してナイフとフォークをもらおうかと思ったが、意地っぱりの私は箸で通した。
食後のデザートも箸だ。
食事はまずく感じたが、それ以上の収穫があった。
文化を「理屈」でとらえるのは間違いで、たとえ不合理であっても、そうあらねばならないという「理由と意味」があるということなのである。
イタメシを箸で食べる
投稿日: