歳時記

雨漏りがしたら屋根を見よ

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「派遣」という労働形態がヤリ玉にあげられたのは、去年の師走だった。
 テント村ができ、食事の〝年越し支援〟が連日ニュースで流された。
「弱者を切り捨てるな」
 という世論の批判を受けて、政権を取った民主党は派遣禁止、最低賃金制度の政策を進めている。
「よくやった」
 と本来なら誉められるところだろうが、中小零細企業にとって正規雇用は負担が大きいため、社員を雇おうとしない。
 その結果、
「社員として雇ってもらえず、さりとて派遣は禁止。どうやって生きていけばいいのか」
 という〝新たな社会問題〟が出てきたのである。
 結局、〝古い家の雨漏り〟は、バケツで受けていたのでは間に合わないということなのだ。
 あっちもこっちもと次々に雨漏りして、まさに〝モグラ叩き〟。屋根を直さない限り、これは続く。
 ところが民主党は、近視眼的にバケツの数を増やすことばかりに腐心している。
 もちろん当面の対策として、バケツの数を増やすのは大切だが、〝屋根の修理〟をどうするか。
 この視点がなければ、私たちはこれから先も〝雨漏り〟に悩まされることになるだろう。
 このことは国政に限らない。
 私たちの人生においてもしかり。
〝雨漏り〟がしてきたら〝屋根〟を見ることだ。
 いつまでもバケツを持って右往左往していたのでは、何の解決にもならないのである。 

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