歳時記

「決意」をしない決意

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 今朝も5時から、親父が庭でガタゴトやっている。
 ここ数日そうだ。
 元気なのはいいが、私の部屋は庭に面した二階なので、目が覚めてしまう。
 私の起床時間は6時なので、5時に目が覚めたのでは1時間も早い。
 で、庭の〝騒音〟を耳の奧で聞きながら、うつらつらした結果、寝過ごすことになる。
 寝過ごせば仕事の予定が狂い、押せ押せになるという悪循環になるわけだ。
 さりとて、元気にしている親父に注意するのも忍びなく、
(もうすぐ初秋。夜が明けるのが遅くなるまでの辛抱だ)
 と自分に言い聞かせている。
 それにしても、親父はなぜ早起きしてガタゴトやれるのだろうか。
 そなんことを考えて、ハタと思い当たった。
 昼寝するからだ。
 いや、正確に言うと、
「眠くなったら、いつでも寝られる」
 という気楽さがあるから、早朝のガタゴトが苦もなくできるのだろうと、私は結論づけたのである。
 よく言われることだが、禁煙は「やるぞ」と決意してはならない。
 決意するから、その反動で失敗する。
(一生、吸えないのか)
 という思いが焦燥感を駆り立てるというわけだ。
 だから、決意しないで、
(吸おうと思えばいつでも吸える。とりあえず今日だけガマンしよう)
 という気楽さが大事というわけだ。
 人生も同じかもしれない。
(よし、今日からやるぞ)
 と決意をするから、何事も三日坊主で終わってしまう。
(とりあえず、やってみるか。無理ならやめればいよい)
 この〝気楽な決意〟こそ、長続きするコツかもしれない。
 親父のガタゴトを聞きながら、そんなことを考えた次第。
 

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