歳時記

加齢と価値観

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昨夜、愚妻と中華料理を食べに行った。
シャンパンが一杯ずつサービスで出た。

私は酒は飲まないので、愚妻の前に私のグラスを置く。

「ちょっと、カッコ悪いじゃないの」
「ならば早く飲み干して、空のグラスをわしの前に置けばよい」

愚妻が急いで一杯目を飲み干し、二杯目を飲み干し、紹興酒を二合頼む。
早々にいい気持ちになったようで、
「ウーン、料理はイマイチかもね」
勝手なことを言っている。

有名ホテルなので、イマイチということはないと思うが、愚妻は「急いで一杯目を飲み干し、二杯目を飲み干し、紹興酒を二合」でいい気持ちになっている。
ヘタに逆らうとややこしくなる。
「かもしれんな」

私はやむなく同調したが、しかし、ここ一年というもの、外食すると愚妻だけでなく、私も料理がイマイチな感じがする。

手鉄板焼きを食べたときは、肉のしつこさにうんざり。
「もうステーキはいい」
ということで愚妻と一致。
それ以後、一度も食べに行っていない。

フグ刺しもしかり。
寿司もしかり。
このたびの中華もしかり。

で、ふと思った。
(これは加齢と関係あるのではないか?)

食事を楽しむには体力と、味に対する期待感と好奇心がいる。
それが加齢につれて衰えたのではないか。

温泉だって、遠方の温泉より近所の日帰り温泉でじゅうぶんになってきているが、それと同じなのだろう。

海外旅行など、考えただけでうんざりである。

つまり、人生のベクトルが変わってきたのだ。

となれば、これまでとは違った生き方があるのではないか。
加齢によってしか見えない世界と価値観があるはずだ。
そう思うと、これからの人生も何やらワクワクしてくるのだ。

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