歳時記

わしが66歳以上だと?

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 今日と明日の二日間、私が受講している中央仏教学院通信教育のスクーリングが行われる。
 で、今日は朝から会場の築地本願寺に出かけた。
 講義のほか、班ごとに分かれてディスカッションをやるのだが、隣に座った男性と雑談していたときのことだ。
「もう年ですよ。66歳ですから」
 と、私におっしゃったので、
「なんの、お若いじゃないですか」
 と言ったところが、
「あなた、私より年上でしたか」
 これには愕然とした。
 私は58歳なのだ。
(いくらフケて見えるとしても、66歳以上はないだろう)
 と思っていたら、お昼休み。
「ちょっと、そこの若い人」
 とオバちゃんの声。
 知らん顔をしていると、
「ちょっと、そこの若い人。机を運んでちょうだいな!」
 受講生のオバちゃんが、私に声をかけていたのだ。
(わし、若い人か?)
 と、にわかに気をよくした。
 二十代の若いころは背伸びして、うんと大人に見られたかったものだが、還暦を前にすると、今度は若く見られたがるのだ。
 まったく勝手なものだと反省しつつ、年配者には「若い」という言葉が、いかに〝殺し文句〟になるか、あらためて認識した次第。
 それにしても、スクーリングに行って、そんなことを考えているようじゃ、たいした成果は望めないか。

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