歳時記

企画の持ち込みはストリップショーの要領で

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 昨日、知人の紹介で若手の女性ライターとお茶を飲んだ。
 数誌で仕事をしており、それなりに活躍する中堅ライターである。
 その彼女が、
「A社に出版の企画書を出して3ヶ月になるんですが、どうなったか問い合わせたほうがいいでしょうか」
 と私に相談する。
 督促するようで、編集者が気分を害さないだろうか、と危惧しているのである。
「そんなの、放っておけば」
 私は即座に答えた。
 3ヶ月も返事がないのはボツに決まっているが、それより何より、私の経験から言えば、企画書を求められた時点で、編集者は「テーマにさして興味がありません」と言っているのと同じなのである。
「こんなテーマ、どうでしょうか」
「ウーン。じゃ、企画書にしてみてくれますか」
 これは婉曲なノーで、その気になってせっせと企画書を書いて渡しても、たいていボツなのである。
 反対に、編集者に興味があれば、
「さっそく来週の社内会議にかけますので、GOになった場合は……」
 即、実務的な話しになって、企画書は社内用に編集者が書くのである。
 そんな話をすると、彼女がガッカリした顔をしたので、
「だから、企画を持ち込むというのはストリップショーと一緒でね。まず、全部を見せてはダメ。お客さんの反応を見ながら、お客さんの興味を喚起しながら、衣服を一枚ずつ脱いでいくもんなんだ。わかるだろう?」
「わかりません! わたし、ストリップなんか見たことありませんから!」
 なぐさめるつもりで言ったのだが、たとえがよくなかったようで、彼女、プリプリ怒って席を立ってしまったのである。
「おまえの話はわかりやすくていいんだが、ちょっとデリカシーに欠けるんじゃないか」
 友人はやんわりと私に諭したのである。
 

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