歳時記

「極楽トンボ」の人生観に迷い生じて

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 某社の文庫書き下ろしが終わったところで、ここ1週間、溜まっていた用事を一気にこなした。
 私は拓殖大学同窓会(学友会)の広報関係を担当しているので、学生主事など大学関係者と打ち合わせの他、お祝い事へ参加、若い卒業生3人と会食して広報委員会にスカウト、さらに学友会HPの企画等、あちこち出歩く日が続いた。
 その間隙を縫うようにして数社の編集者、某漫画家、若いライターと会食など、我ながら感心するほど忙しかった。
 なぜ、こんなことを書いたかというと、いまこうして振り返ってみて、結局、何が忙しかったのか、自分でもよくわからないからである。
 忙しいと何となく充実した気分になるが、これは錯覚だ。
 錯覚のまま忙殺され、人生は矢のごとく過ぎていくのかと思うと、日々を一喜一憂することの、なんとバカバカしいことか。やはり、極楽トンボで、お気楽に生きるのが正解だと再認識した次第。
 ところが、それはシャバにいる人間のことだと気がついた。
 昨日は、保護司として某刑務所へ受刑者の面接に出かけた。仮釈放になれば私の担当になる成人男子だ。
 刑務所で過ごす日々は毎日が長い。
「時間だけは平等」と言うが、それはウソだ。同じ1日24時間、どういう人生を送っているかで、長くもなれば短くもなるのだ。
 寿命とは、絶対値ではなく相対値だと、改めて思った。
 受刑者と人生について、いろいろ語り合った。
 刑務所に入ろうと思って生まてきた人間は1人もいないにも関わらず、犯罪に手を染めてしまう。魔が差すというのか、人生は危ういものだと、刑務所に行くたびにいつも思う。
 そんなことを考えれば、極楽トンボじゃ、やっぱりマズイのではないか――今度は反省した次第。
 3月、4月は3冊+αで執筆が重なるので、それぞれ編集者に〆切について延期を打診するが、前々からの約束とあって2社は冷たくノー。1社だけ、あたたかい返事に、感謝、感謝。
 いま朝の5時30分。こんなブログを書きつつ、今日という1日が始まる。
 
 

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