歳時記

島田紳助サンの「置き土産」

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 畑指南役の〝映芳爺さん〟が体調不良で畑に行けない。
 しかし、草が伸びている。
 なんとかせねば。
「おい、明朝、畑に行って草刈りをするゆえ、覚悟せよ」
 と愚妻に厳命したのが、昨日の午後のこと。
 ところが、原稿が進まず、今朝はとても草刈りの時間がない。
 で、畑行きは中止したところが、
「ちょっと、どうしてくれるのよ!」
 愚妻がクレームをつけてきた。
 珍しく早起きして、畑支度しているではないか。
 そこで私は言った。
「〆切がある。仕事が優先だ」
「だったら、昨日の夜、そう言ってくれればいいじゃないの」
「言おうかと思ったが、やめた」
「どうしてよ」
「自分のなかではセーフと思っていたからだ。しかし、アウトだと言うなら、潔く認めようではないか」
「ちょっと、怒るわよ!」
 それにしても、
「自分のなかではセーフと思っていた」
 というのは、使えますな。
「〆切は守ってください」
 編集者が言ったら、
「自分のなかではセーフと思っていた。しかし、アウトだと言うなら、潔く認めようではないか」
 いいねェ。
 島田伸助サンの「置き土産」である。

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