歳時記

入道雲で梅雨明けを知る

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 昨日午後、都心から千葉の自宅への帰途。
 高速道路を走っていて、前方上空に大きな入道雲があった。
「見ろ、入道雲だ。梅雨が明けたかもしれん」
 運転しながら助手席の愚妻に言うと、
「色が悪いわね」
 入道雲を「色」で評価する人間がいることを、このとき初めて知った。
「どう悪いのだ」
「白色がちょっと弱いんじゃない」
「わしは色の話をしているのではない。梅雨が明けたのではないか、と言っておるのだ」
「だけど、色がちょっとねェ」
 いつまでも色にこだわっている。
 主婦というやつは、雲をさえ、サンマの目の色を確認するように見るものなのか。
 新鮮な発見と驚きであった。
 帰宅すると、関東地方の梅雨明けをテレビが報じていた。
 節電の、夏本番の始まりである。

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