故田中角栄氏が首相当時、年賀状は八千枚が来たという。
年賀状の枚数が権勢のバロメーターの一つとするなら、さすが〝今太閤〟と呼ばれただけのことはある。
だが、私が感心したのは、年賀状の枚数ではない。
分刻みのスケジュールをこなす超多忙の角栄が、八千枚のすべてに目を通し、返信を代筆する秘書に添え文を逐一指示したという、そのマメさに驚いたのである。
田中軍団と呼ばれる最強部隊を率い、向かうところ敵なしだった角サンが、そこまで気配りをしていることに感心もし、凄味も感じたものだ。
過日、産経新聞記者が記者会見で、菅総理に対して、
「一体何のために、その地位にしがみついているのか」
と強烈な質問した。
菅総理にどれだけの年賀状が来るのか知らないが、年賀状に逐一添え文を指示することはおそらくないだろう。
菅総理の〝軽さ〟は、そんな「人生の処し方」にあるような気がするのだ。
菅総理の「軽さ」
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