「人に迷惑をかけてはいけない」
と、道場で子供たちによく言う。
「自分が怠けて稽古しないのはいいが、人の邪魔をするな、人に迷惑をかけるな」
というわけである。
しかし、浄土真宗では、
「人間は、迷惑をかけずして生きていくことのできない存在である」
と教える。
「それほどに人間は救いがたい存在である」
ということに気づくことが大事と教える。
つまり、このことに気づけば、
「おかげさまで」
と、生かされていることへの感謝の心が芽生えてくるというわけだ。
さて、そこで困ったことになる。
「人に迷惑をかけてはいけない」
と道場で教えることと矛盾する。
だが、小学校の〝可愛い悪ガキども〟に、
「人間は、迷惑をかけずして生きていくことのできない存在である」
と、教えたらどうなるか。
「ワーイ!」
大喜びで騒ぐだろう。
「人を見て法を説け」
とは、なるほどお釈迦さんは、いいことをおっしゃるではないか。
子供を見て、法を説く
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