黄海で、米韓合同の軍事演習が続いている。
「有事に備えて」
という言葉に、私はハタと膝を打った。
そうだ。
人生においても、有事に備えた演習が必要ではないか。
「よし、今日から〝寝たきり〟になったときの介護演習をするぞ」
テレビに興じる愚妻に告げると、私はゴロリと横になり、
「おい、ノドが渇いた」
これに愚妻がどう反応したか、あえて書くまい。
罵詈雑言の嵐で、北朝鮮のごとく大砲をぶっ放してきたのである。
介護演習は悪い冗談としても、「人生の有事」に備えた演習は必要だろう。
いたずらに将来を憂(うれ)うことはないが、根拠のない楽観もまた戒(いまし)めるべきだ。
そのことを愚妻に発信したつもりだが、
「これ以上、あなたの世話はできません」
と言われてみれば、私としては、ただただ沈黙するばかりである。
「人生の有事」に備える
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