今夜(といっても、午前0時を回ったので昨夜になるが)、編集者と打ち合わせがあって、新宿歌舞伎町に出かけた。
夜の歌舞伎町は久しぶりなので、少し早めに着いてブラブラと歩いてみた。
盛り場の賑(にぎ)わいは、私が夜ごと飲み歩いた週刊誌記者時代と少しも変わらないが、今夜は歩いていて妙に居心地が悪かった。
歳を拾って情熱と好奇心が衰(おとろ)えたせいだろうか。
飲んで騒いで、この街を闊歩した若いころの人生は楽しかった。
ブラブラ歩きながら、あそこにあったはずの店、ここにあったはずの店と、当時を懐かしく振り返りつつ、ふと、
(でも、いったい何が楽しかったのだろうか?)
自問して、答えに窮した。
どうやら人間は、情熱と好奇心が衰えたぶんだけ、「人生」というものについて考えるようになるのかもしれない。
歌舞伎町を歩く
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