歳時記

「風船」と「弾力性」

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土、日で4つの法事を勤めた。
そのうち3つが墓前である。

暑い。
じつに暑い。
剃髪した頭から、滝のように汗が流れ落ちる。

「暑いからといって、ご命日を変えるわけにはいきませんものね」

施主が申しわけなそうに気づかってくださる。
ありがたいことだ。

お勤めが終わると、汗ダラダラのままクルマに乗ってエアコンをかける。
どうも、これが身体によくないようだ。

昨日午後、帰宅してクシャミ。
鼻水がとまらない。

「ちょっと、熱中症じゃないの?」

愚妻が眉間にしわを寄せる。

「熱中症はクシャミが出るのか? 鼻水が出るのか?」
「そんなこと知らないわよ」
「知らないのに熱中症など持ち出すな。わしなら夏風邪を疑うぞ」
「じゃ、そうなんでしょ」

連日、テレビで熱中症の注意喚起をしているものだから、単純で愚かな人間は、何でもかんでも熱中症のせいにするのだ。

そんなわけで昨夕からベッドに潜り込み、今朝7時ま15時間ほど延々と眠っていた。

おかげで少しは楽になったが、午前中は保護観察対象者の来訪があり、昼は都内から編集者が来るので近所のホテルで会い、そのあと別の保護観察対象者宅に往訪予定。
昨日より暑い。
体調がイマイチなので、午後の往訪は明日に日延べしてもらった。

かつての私なら、約束を日延べするなどあり得ないことだが、最近は「無理をせず」を信条としている。

人間は風船と同じで、新しくで弾力のあるときは、無理して空気をどんどん入れていけば大きくふくらむ。
だが、古くなって弾力がなくなってくると、無理して空気を入れるとパンクする。
さて、風船の弾力性をどう見極めるか。

人間、ここが肝心なのだ。

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