歳時記

人間の妙味

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今日は都内で友人に会うため、電車で出かけた。
駐車が面倒な場所なので電車にしたのだが、電車は久しぶりとあって何だか気分は浮き浮き。

朝の通勤時間帯とあって、会社通いの人たちをキョロキョロ観察すると、ネクタイをしている人が一人もいないことに気がついた。
スーツを着ている人もいない。

私が働き盛りのころはネクタイ、サマースーツ、靴とずいぶん凝ったものだが、そうしたおしゃれとは無縁の時代になったのか。

これは新鮮な驚きである。

帰宅して愚妻にそのことを告げると、
「いまどき、当たり前じゃない」

クールビズがどうのこうのと、エラそうなことを言っていたが、暑いから上着を着ないという処し方が私にはよくわからない。

暑いから着ない、寒いから着込む、疲れたから休む、腹が減ったからメシを食うといったことは動物のすることではないのか。

人間が動物と違うのは、「やせ我慢」という処し方ができるからだと私は思っている。

つまり、不合理。

言い換えれば、不合理を承知で処するところが「人間の妙味」であると、電車に乗ったおかげて改めて気づいたのである。

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