歳時記

「気に病む」ということ

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 タレントの矢部みほさんが、二の腕の美容整形手術を行ったという記事がネットに出ていた。
 名前と顔が一致しなかったが、掲載写真を見ると美人でスタイルもいい。
 二の腕の太さが悩みだったとかで、
「これ以上コンプレックスを抱えて生きていくのは嫌なのでスッキリしたい」
 というのが、手術を受けた理由だそうだ。
 彼女のような美しい体形でコンプレックスを抱えるのであれば、うちの愚妻はどうなるのだ。
「おい、どう思う」
 愚妻に記事を見せたら、
「それ、当てつけなの?」
 ジロリと私をニラんで、
「私の二の腕が太くなったのは、何でもかんでも力仕事をさせるからでしょ!」
 納屋の整理は私、タンスの移動は私、タイヤ交換に行くのも私・・・。
 機関銃のように列挙して、
「二の腕だって太くなるわよ」
 うっかりイヤ味を言ったら、エライことになった。
 だけど、矢部みほさんの記事を読み返して、つくづく自意識というのは厄介なものだと思う。
「気に病んでいるのは自分だけ」
 という言葉があるが、シミや皺、肥満、身長、仕事、境遇など、誰も人のことなんか気にしてないにもかかわらず、ひとりで気に病んでいる。
 しかも、お互いが笑顔の下で。
 これを滑稽と考えれば、人生はもっともっと楽しくなるのかもしれない。

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