歳時記

白内障の手術から二日目

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 愚妻が白内障の手術をしたことをブログで書いたので、多くの知己から電話を頂戴した。
 ありがたいことだが、電話を受けるのは私でなく愚妻である。
 ここに問題が発生する。
「ええ、まあ、大丈夫です、ありがとうございます」
 愚妻は電話に戸惑い、やりとりが噛み合わない。
 それはそうだろう。
 自分が手術したことが、どうして人様の知るところになったのか、わからないからである。
 何人目かの電話で、
「ブログ?」
 愚妻がオウム返しに聞いて、私をキッとニラみつけた。
 ネタバレである。
「誤解だ。決して、おまえをサカナにしているわけではない」
 私は真意を説明したが、愚妻は聞く耳を持たない。
 で、やむなく、私は鳩山サン辞任の弁をマネて言った。
「女房が聞く耳を持たなくなったのは、私の不徳の致すところ。私自身、この職を引かせていただく」
「ちょっと!」
「なんだ」
「うまいこと言って、仕事なんか辞めさせませんからね!」
 白内障の手術のおかけで、どうやら私の心の中もよく見えるようになったようだ。
 これから愚妻を騙(だま)すのは、ますます難しくなりそうである。

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