歳時記

考えさせられた一日

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 昨朝のウォーキングは、田圃を流れる小川の堤を歩いた。
 風情は最高なのだが、夏場は草が繁り、朝露で濡れているため歩けない。
 夏場に一度、ここを歩いたのだが、靴がびしょ濡れになって愚妻が怒ったことがある。
「泥んこになった靴を洗うのは大変なのよ!」
 目を三角にしていた。
 それで、草が枯れるのを心待ちにしていた。
 万一の場合に備え、防水のウォーキングシューズも、ひそかに買ってある。
 これなら多少の朝露も大丈夫だ。
 で、昨朝、小川の堤を歩いた。
 草も枯れてきている。
 朝露は何とか大丈夫だ。
 ところが、堤なので道が凸凹している。
 転ぶと大変なので、足元ばかりを見て歩く。
 私の背後をついてくる愚妻が文句を言う。
「下ばかり見て歩いているから、景色を見られないじゃないの」
 確かにそうだ。
「その日を精一杯に生きろ」
 と仏法では教えるし、その通りだとは思うが、足元ばかり見て生きるのもどうかな、という思いがよぎる。
 日曜日に七回忌法要のお勤めを頼まれているので、頭の片隅に法話のことがあるのだろう。
 そんなことを思ったウォーキングであった。
 そのあと、昼から新宿で大学サークルの同窓会。
 先輩、後輩と会うと学生時代に返ったような気分になる。
 年に一度の催しで、心待ちにしていた。
 で、いつもはクルマを運転して出かけるが、何となく電車に乗りたくなって、電車で出かけた。
 私が立っている前の席が空いたので、隣に立つ中年女性に、
「どうぞ」
 と勧めると、
「すぐ降りますから」
 と固持する。
「坐ればいいじゃない!」
 とデカイ声で言ったら、その女性はそそくさと逃げて行った。
 私としては悪気は毛頭なく、
「遠慮なんかしないで坐ればいいんですよ」
 ということを言いたかったのだが、言い方に配慮がなく、また言葉が足りなかったということか。
 そう言えば愚妻がかねがね、
「あなたは誤解されやすいから、知らない人に話しかけないほうがいいわよ」
 と言われたことを思い出した。
 意を伝えるというのは難しいものだ。
 朝のウォーキングといい、電車の一件といい、昨日は考えさせられる一日であった。

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