歳時記

足に暇なき我が思い

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 今朝7時のこと。
「畑に行ってくるから!」
 愚妻が、2階の私に告げた。
 私を誘っても無駄だと思っているのだろう。
 声にトゲがあるから、怒っていることはわかる。
 面白いもので、これまで畑へ行くことにはブーブー文句を言っていたのが、
いまは率先して行き始めた。
 これぞ、愚妻をその気にさせた私の勝利である。
 愚妻が畑で汗を流しながら悪戦苦闘しているころ、私はのんびりと朝風呂。
 至福のひと時と言いたいけれど、〆切のことを考えると胃が痛くなる。
 湯船に浸かっているときも、原稿の書き出しとか、構成とか、あれこれやが勝手に脳裏をよぎっていくのだ。
《見ればただ 何の苦もなき水鳥の 足に暇なき我が思いかな》
 水戸黄門のよく知られた一句だが、愚妻には私の忙しさがわかるまい。
「ヒマそうね」
 と、ことあるごとに嫌味を言う。
 私は、水鳥の苦労がよくわかるのだ。

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