歳時記

「断食」と「自分を飼い馴らす法」

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 今日は「一日断食」である。
 前回もつらかったが、今回も、いささかつらい。
 なぜだろう。
 つらつら考えるに、理由の一つは、
「今日は食べられない」
 という強迫観念ではないだろうか。
 忙しくて食事ができない日はよくあることなので、
「食べない」
 という事実が苦しいわけではない。
 この場合、
「結果として、たまたま食べなかった」
 ということに過ぎないので平気なのだが、プチ断食の場合は、
「今日一日は絶対に食べられない」
 という〝未来に対する思い〟となる。
 だから、苦しくなるのではないか。
 さらに、もう一つ。
「強制による空腹感」というものもあるだろう。
 たとえば、私の学生時代がそうだったが、カネがなくて満足に食事ができないときは、
「腹が減った」
 という思いが強くなる。
 これは「カネがない」ということからくる「強制による空腹感」であり、だから空腹がつらくなる。
 一方、散財するだけのカネを持っていながら、
「食べに行くのが面倒くさいな」
 といったときは、空腹がさほど気にならない。
 これは「強制」ではなく、
「食べようと思えば、いつでも食べられる」
 という余裕があるからだ。
 こう考えていくと、
「せねばならない」
 と自分を縛ることで奮い立たせようとするのは、感心した方法でないことがわかる。
「私は断食が大好き。断食って気分がいいな」
 と自己暗示をかけるのも一法だろう。
「自分を飼い馴らす」とは、こういうことを言うのだろうと、考えるのである。

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