何という名称か知らないが、紛失したものを探すアップルの「タグ」をつけている。
ニュースでしか知らなかったが、ストーカー事件でよく話題になるやつだ。
付けているのは車のキィーと免許証だ。
娘が買って持ってきたので、しょうがないから付けた。
愚妻のスマホでも探せる。
で、先日のこと。
法務に出かけ、帰途、高速道路を使用した。
一般道でいいのだが、何となくそんな気分になったのだ。
走っていると、右手前方にスカイツリーが見えてきた。
これはおかしい。
千葉県内を走っているのに、スカイツリーが見えるわけがないのだ。
しかも、右手ではないか。
そこでハタと気づいた。
帰宅と逆方向、東京に向かっているのだ。
都内に入るまで降り口がなく、錦糸町で下車。
Uターンし、いま降りた高速に乗って帰宅したところが、
「ちょっと、何で都内に向かったのよ」
開口一番、愚妻が詰問した。
「なんのことだ」
トボけたところが、
「隠してもだめよ。ちゃんとスマホに出ているんだから」
ありゃ、タグを付けていることをすっかり忘れていた。
帰宅が遅いのでタグをチェックしたら、東京に向かって進行していたのだか。
「ボケがきたんじゃないでしょうね」
さんざん嫌味を言われたのである。
で、昨日。
法務の帰りにバイクのお巡りさんに停められた。
「車線区分ナントカ違反」だそうだが、処分をめぐって何だかんだと20分以上も時間がかかり、結局、「警告」ということですんだ。
それはよかったのだが、帰宅するや、
「ちょっと、何やっていたのよ、20分以上も停まって」
帰宅が遅いので、愚妻がタグをチェックしていたのだ。
交通事故だけはくれぐれも気をつけるようにとうるさいので、お巡りさんに停められたことは内緒にするつもりでいた私は、
「それが、知り合いにバッタリ会ってな。話をしていたんだ」
笑ってごまかしたが、
「運転していて、どうしてバッタリ出会うのよ。しかも広い国道で」
ジロリと睨むのである。
そそくさと自室に逃げこんだが、このときストーカーされる女性の気持ちが何となくわかった気がした。
便利は不便。
便利と不便は表裏一体であることを身をもって知ったのである。