歳時記

「老々検査」である

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高血圧の治療などで、近所のクリニックに月1ペースで通っている。
昨年、私と雑談していて胆石を疑い、発見してくれた医者だ。
ヘソ曲がりの私が全幅の信頼を置く「かかりつけ医」である。

で、先日。
6月に血液など定期検査をすることになり、その日時を決めるときのこと。

医者は、私が坊主をやっていることをご存じなので、
「友引の朝一がいいんですよね」
と、つぶやきつつパソコン画面を見ながら、
「5月19日が友引だけど、朝一で検査が入っていますねぇ。二番目でいかかですか?」

二番目というのが気に入らないが仕方がない。
夕方から通夜ということがあるが、『友引』は葬儀が入らないので午前中は大丈夫だ。

「お願いします」
ということで帰宅。

「わしの前に朝一で検査するとは、とんでもない人間がいるものだ」
毒づくと、愚妻が壁のカレンダーに目をやってから、
「それ、私だわ」

愚妻もこのクリニックにかかっているのだ。

「バカ者、そんな話は聞いていない」
「あなたが検査するなんてわからないでしょ」
「夫婦して朝一と朝二と連続検査なんて、カッコが悪いではないか」
「どうしてよ」

不毛の論戦が続いたのである。

老々介護という言葉があるが、我が家は今のところ「老々検査」。
これがやがて「老々介護」になるのだろう。

「人生百年時代」はハッピーなことなのか。
いささか首を傾げるのである。

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