ブログに書くのはどうかと思うが、やたらにオナラが出る。
拙宅は各部屋はエアコンで、廊下には石油ストーブが置いてあるのだが、廊下でプッとオナラをすると、
「ちょっと、危ないでしょ!」
愚妻が居間から怒鳴る。
石油ストーブの火がオナラに引火したらどうするのだ、というわけだ。
冗談みたいな話だが、これは本当である。
「よく聞こえるな」
「聞こえるわよ!」
私のオナラに神経を尖らせているから聞こえるのだろう。
居間でオナラをすれば、
「ちょっと、臭いでしょ!」
ならばと廊下に出てすれば、
「ちょっと、危ないでしょ!」
私はどこでオナラをすればいいのだ。
頻尿という言葉があるので、これは「頻屁」とでも言うのだろうか。
「おい、どう思う?」
愚妻に問うと、
「バカなこと言ってないのよ!」
ますます機嫌が悪くなるのだ。
今日は、かかりつけのクリニックに定期診察に行く日だ。
でかける前に、
「ちゃんと聞いてくるのよ」
と、愚妻が念を押す。
「頻屁」と胆嚢摘出と相関があるのか、医師に聞いてこいと言うのだ。
仕方ないから診察の後で医師に問うと、
「放屁ですか」
うなずいて、ささっと腹部の絵を描いて、
「腹部のこのあたりの活動が鈍っているのでしょう」
胆嚢摘出と内臓についてあれこれ説明してくれたが、私の耳には届かない。
私は医師が口にした「放屁」という言葉が気になり、
(ほう、医学的にはオナラではなく、放屁と言うのか? となると、頻屁ではなく、頻放屁が正しいということになるな)
そんなことを考えていたのである。
で、帰宅してすぐに、
「おい、訂正だ。頻屁ではなく、頻放屁だ」
愚妻に告げると、
「ちょっと、そんことはどうでもいいから、オナラの原因はわかったの?」
わからないと答えるとうるさいので、
「運動不足だそうだ。オミクロンのせいで家に閉じこもっているのが悪いんだな。まさかオミクロンが放屁にまで影響するとは思いもしなかった。うん」
悪役のオミクロンではあるが、不都合なことがあればオミクロンを引き合いに出せばいいと、このときハタと気づいたのである。