歳時記

いよいよ古稀である

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人生の舵を切り始め、およその方向転換に3年。
方向が定まるまで5年。
そして、その道をきちんと歩けるようになるまで10年はかかる。

私は50歳になったとき、還暦(60歳)以降を余生と考え、人生の舵を切りはじめた。
余計なことを削ぎ落とすのに3年から5年かかった。

平行して僧侶になるための準備をはじめ、得度したのは56歳のときである。

人生経験には自信があるものの、僧侶として浅学の自分を反省し、中央仏教学院通信教育に入って3年間勉強した。

だが、所詮、〝畳の水練〟。
専業であればともかく、本を書き、空手の指導をしながらの法務である。
現場を踏み、得心がいくまでに、それからさらに数年を要した。
僧侶になってから10年がかかっている。

来月で古稀、70歳を迎える。
「余生の余生」になる。
昨日の続きを生きる気はない。

仏法をもっともっと勉強し、学問としてではなく、「現実の人生」において書いたり語ったりできないかと考えている。

となれば、時間との競争である。
時間を捻出するため、日々の生活で削ぎ落とせるものは何か。
朝の露天風呂にのんびり浸かりつつ、考える。
この矛盾を生きることに、人生の醍醐味があるのだ。

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