菅、麻生、習近平、トランプ、金正恩。
愚妻が嫌いな5人である。
彼らを好きな人はそう多くはないと思うが、中でも菅、麻生、習近平の3人はテレビに顔が映るだけで、
「嫌い」
と愚妻は言う。
理由を問うと、
「笑わないから」
極めて動物的な答えだが、
「そこだ!」
私は思わずヒザを打った。
ちょうど、「人間関係のディスタンス」と「笑顔」について原稿を書いていたところだったからである。
『怒れる拳(こぶし)、笑面(しょうめん)に当たらず』
これは、中国雲門宗の禅僧・雲台省因の言葉で
「怒って拳を振り上げて殴りかかってきた人も、相手が笑顔で対応したなら気勢を殺(そ)がれてしまう」
という意味だ。
人間は笑顔が大事なのだ。
菅、麻生、習近平の3人は、なるほど笑面とはほど遠い。
権力闘争に勝ち抜くことと、「好かれること」は必ずしも一致しないということである。
ならば、お笑いタレントはどうだ。
愚妻に問うと、
「笑ってばかりでバカみたい」
バッサリ。
笑えばいいというものではないようで、笑面も人によっては顔に拳が当たるということか。
好悪の感情は、かくのごとく難しく、トランプ大統領に熱狂的なファンがいるのもうなずける。
ありがたいことに、世のなか、どんなに憎まれても味方は必ずいるのだ。