歳時記

働き方改革

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 2月も2日目。
 明日は節分である。
 人に会うと、
「早いねぇ」
 と言うが、私は何だかんだ忙しく、すでに何ヶ月も経ったような気がしているので、「これから2月なのか」とガク然とする。
 今月は、どこぞ温泉地でも行きたいが、日程が取れそうもない。
 こんなことではよくない。
 テレビでちょうど働き方改革のニュースをやっていたので、
「どうだ、わしもそろそろ働き方改革をせねばなるまい」
 愚妻におうかがいを立てると、
「そうね。楽ばかりしているから、もっともっと働かなくちゃ」
 バチ当たりなことを、平然と口にするのだ。
「67歳になってからも働くのか」
 憤然と抗議すると、
「当然でしょ。若いころ人の何倍も遊んだはずよ。遊ばなかったとでも言うの?」
「遊んだ」
「だから、これから死ぬまで働けばいいの。それが、あなたの働き方改革よ」
 人生は結局、プラスとマイナスを足せばゼロになるということか。
 ゼロと言えば、作家でクラブ『姫』のママさんだった山口洋子さんが生前、
「稼ぎ方にはね、足し算と掛け算があるのよ」
 と、私にさとしてくれたことがある。
 原稿料は足し算、歌謡曲の作詞は掛け算で印税が入ってくるということから、仕事の効率を考えろと言ってくれたのだが、ヘソ曲がりの私は、
「しかし、掛け算もゼロを掛けるとゼロになりますね」
 つまらぬ冗談を返したところが、
「ゼロなら御の字でしょう。人生、ヘタすりゃ、マイナスになるんだから」
 そう切り返された。
 なるほど、人生はゼロをもって至福とすべきなのかもしれないと、働き方改革への思いは、なぜか妙な方向へずれていくのだ。

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