歳時記

カエルとヒアリ

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 今朝もウォーキングをしていると、小さなカエルが道端をピョコピョコと跳ねていた。
 田圃(たんぼ)があるからだろう。
 1センチ程度の大きさなので、足元を見ながら歩かないと踏みつぶしそうになる。
 唐突に、「安居(あんご)」という言葉が脳裡をよぎる、
 安居とは、個々に活動していた僧侶たちが一定期間、一カ所に集まって集団で修行すること。およびその期間のことを指すが、本来の目的は、雨期は数多くの小動物が活動するため、遊行(外での修行)をやめて一カ所に定住することにより、小動物に対する無用な殺生を防ぐことである。
 お釈迦さんの時代からそうだという。
 今朝、カエルを踏みつぶさないように気をつけて歩いていて、お釈迦さんに思いを馳せていると、これまた唐突に、いま問題になっているヒアリのことが脳裡をよぎる。
 ヒアリは殺していいのだ。
 人間に害を及ぼすからだ。
 それは当然だと思いつつも、「危険だから殺す」という発想は、人間の都合ではないのか。
「ISは危険だから抹殺してしまえ」
 という発想と、論理的にどこがどう違うのだろう。
 だが、ISもヒアリも放置しておくわけにはいかない。
「すべての命は平等に尊い」としながらも、これを抹殺することを「正義」とする。
「害を及ぼす」という理由が、殺傷という行為を正当化するのであれば、戦争は永遠になくなりはしない。
 平和を求めるがゆえに、人間は戦争をする。
 矛盾である。
 私たちは、こうして矛盾を生きてる。
 テロと戦い、ヒアリの駆逐を通して、このことを忘れてはなるまいと自分に言い聞かせるのだ。

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