歳時記

「本末転倒」を考える

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 パソコンのモニターを、二枚並べて使い始めた。
 左の画面で資料を見ながら、右の画面で原稿を書くことができるので、これは便利だ。
 ところが、二枚並べると、これを何とか使わなければと思ってしまう。
 一画面ですむ仕事も、もう一画面を使おうとするのだ。
 で、余計な手間がかかり、本末転倒になってしまう。
 便利というのは、よくよく考えないと、それに振りまわされて不便になるということ。
 スタッドレスタイヤもそうで、せっかく履いているのだから、「雪道を走らなくては」と思ってしまう。
 ウォーキングもしかり。
 シューズやステッキなど、あれこれそろえたのだから「歩かなくて」は思ってしまう。
 これらは一例だが、よくよく考えてみると、本末転倒の処し方が日々を忙しくしていることに気がつく。
 生きて、そして死ぬ。
 人生は実にシンプルであるのに、生き甲斐だの、充実した人生だの、幸福だのと余計なことを考えるから、息苦しくなってしまう。
 これも本末転倒のなせるワザだろうと思うのだ。 

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