歳時記

イヤ味が通じない

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 仮眠を挟みつつ、金曜、土曜と徹夜状態である。
 木曜は埼玉県に取材にも出かけた。
 こういうときに限って所用が重なり、今夕はパーティがある。
 週末は、てんてこ舞いである。
 そんな私を見て、
「仕事しないで、怠けているからでしょう」
 と、畑に行かされている愚妻は、ここぞとばかり攻撃してくるが、これは思慮が浅い。
「怠けていることが問題なのではなく、怠けざるを得ない原因が何であるか、そこに目を転じなければならない」
 私が諭すと、
「原因は何なのよ」
 質問で切り返してくる。
 諭しや質問に対して、質問で切り返すとはなかなかウデを上げてきたが、まだまだ。
 私が言う。
「原因を探っていけば、人生観にまで及ぶ。聞きたいか?」
「いらない」
 これで議論は打ち切り。
 愚妻は勝ったつもりでいるが、ここが愚かなところで、「怠けている」という私への批難は雲散霧消したことに気づかないでいるのだ。
 勝ったつもりの愚妻は、
「マッサージの予約しているから、行ってくるわね」
 機嫌よく告げる。
 私は原稿書き。
 しゃくにさわるので、
「揉んでもらうのはいいが、頭の中まで揉まないようにちゃんと言っておくんだぞ」
「大丈夫よ。向こうも馴れているから」
 イヤ味が通じないのか、知っていて切り返してきたのか。
 今日は、私に分が悪いようである。

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