歳時記

「お坊さんですか?」

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 昨日午前、ブラブラ歩いて道場の仕事部屋に向かっていると、ある家の前で、庭掃除をしていた初老の男性から声をかけられた。
「あのう、先日もお見かけしましたが、お坊さんでらっしゃいますか?」
 不意をつかれ、
「はい、そうですが」
 丁重に返事すると、
「やっぱり!」
 何がやっぱりなのか、よくわからないが、
「そうじゃないかと思っていたんですよ」
 ニコニコしながら、おっしゃったのである。
 帰宅して愚妻にそのことを告げると、
「でしょうよ。ハゲ頭で、着物を着て、袴を穿いて歩いていれば、誰が見ても、まともな人には見えないわよ」
 相変わらず、憎まれ口を叩くのである。
 そんなことがあってから、今日も、その家の前を通るとき、声をかけられるのではないかと気になる。
 坊さんと知れた以上は、肩を揺すって歩くわけにはいくまい。
 何やら世間が狭くなったような気分なのである。

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