歳時記

右を見て、左を見て

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一昨日のこと。
医者に処方してもらった薬で肩甲骨の痛みがやわらいだので、愚妻をクルマに乗せて電気店に買い物に行った。

家の駐車場を出るとき、道路の左右を確認する。

右を見て、左を見て。
助手席の愚妻が、私と同じ方向に顔を向けて確認している。

「バカ者。同じ方向を向いてどうする。わしが右を見ているときは、おまえは左を見るのだ」
「なに言ってるのよ。あなたがちゃんと見ているかどうかわからないじゃないの」

私の確認を信用していないのである。

で、電気店の帰途。
前を行く大きなトレーラーが信号の手前で鼻先を右に向けた。
右折するのだろうと思って直進しようとすると、トレーラーがいきなり大きく左に切ってきた。
左折するため、右に車体をあおったのである。

トレーラーの横っ腹に追突の危機。
急ブレーキ。

「ちょっと、どこ見てるのよ、危ないでしょ!」
「左折するのはわかっておった」
平然として言ってみたが、
「ウソばっかり。じゃ、何で急ブレーキ踏んだのよ。飛ばして行こうとしたじゃないの」
通用しなかった。

そして、
「これだから、あなたから目を離せないのよ」

ブツブツと、いかに私が信用ならないか、帰宅するまで非難しつづけたのである。

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