歳時記

露天風呂を堪能

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 いま、伊豆高原。
 明日、帰宅する。
 部屋に露天風呂がついているので、3日間、朝も昼も夜も温泉を堪能した。
 ついでに仕事も堪能し、頭がクラクラする。
 一昨日、修善寺の「虹の郷」という自然公園に出かけた。
 園内に夏目漱石記念館がある。
 漱石が滞在して執筆した旅館の一室を移築したものだ。
 座敷にあがってお汁粉を注文し、漱石になった気分で和テーブルの前に胡座(あぐら)をかいていると、中年の品のいい女性が運んできて、
「失礼ですが、僧侶の方ですか?」
 剃髪に作務衣の私を見て言った。
 こうなると、胡座はちとまずかろう。
 さり気なく正座になり、言葉づかいも丁重にして、しばらく話をした。
 そういえば、栃木県の喜連川温泉の露天風呂でも、
「失礼ですが、僧侶の方ですか?」
 と、お年寄りに話しかけられ、言葉づかいも丁重にして、しばらく話をしたことがある。
 人間は、
「どう見られているか」
 ということで、自分を律するということか。
 となれば、「外見」は、中身を規定するという意味において大事ということになるのだろう。
 そんなことを露天風呂で考えつつ、雨上がりの伊豆の夜空を見上げる。

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