歳時記

煩悩と二人三脚

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 九十九里の露天風呂から凧を眺めたのが5日前。
 早いものだ。
(あっ、ブログのこと忘れていた)
 と思って、自分のホームページを見ると、
(へぇ、あれからもう5日もたっているのか)
 時の移ろいの早さに感心したり、唖然としたり。
「この調子で人生が終わるのなら、日々(にちにち)に一喜一憂したり、あれが欲しい、これをしたいと身を焦がすのは愚かなことだな」
 と達観を口にしてみるが、そうは問屋が卸さない。
 着物を入れる桐箪笥が一棹 (さお)では間に合わなくなったので買い足したのはいいが、どこに置くかで昨夜は愚妻と一悶着。
 私がうるさく注文をつけるので、
「じゃ、好きなところへ置けばいいでしょ!」
 と愚妻がブチ切れ、箪笥は梱包したまま仏間へ置きっ放し。
 そこへ今朝は、坊さんが月参りに見える。
「箪笥を片づける時間がなくて、アッハハ」
 と私が笑ってごまかし、愚妻もニコニコ笑顔をつくろっている。
「苦しきゆえに、外には快楽(けらく)を装い」
 とは太宰治の言葉だが、我ら夫婦は、
「ミエゆえに、外には笑顔を装い」
 ということか。
 達観どころか、生きているうちは煩悩と二人三脚なのだ。

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