歳時記

農家レストランと花と羽織

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 今日は午後から、房総御宿(おんじゅく)の里山にある農家レストラン『愚為庵』へ。
 何度かご紹介したが、築200年以上の茅葺(かやぶ)きの庄や宅をそのまま使った食事処だ。
 愚妻は、ここでは熱燗2本が定番だが、今日は何と1本しか呑まないではないか。
「おい、具合が悪いのか?」
 と、私は心配してみせる。
 というのも、羽織を〝袖無し羽織〟に直したく、和裁屋さんへ持って行ってくれるよう愚妻に頼んでいるからだ。
 愚妻は意地悪く、
「自分で持って行ったら?」
 と拒否している。
「バカ者。男が、そんなもの持っていけるか」
 と叱責すると、
「あっ、そ。じゃ、好きにすれば」
 そんな状況にあるため、私は機嫌を取っているという次第。
 幸い、『愚為庵』の女将さんが話し相手になってくれ、愚妻の機嫌はよくなっている。
 もうひと押しだ。
 帰途、野菜と花の販売所を見つけたので、
「花でも買って帰ったらどうだ」
 と水を向けると、
「そうね」
 と、笑みが浮かぶ。
 愚妻は花が大好きで、狭いわが家の庭は花だらけなのだ。
 何だかんだと買い込み、上機嫌になったところで、さりげなく羽織の話を持ち出すと、
「しょうがないわねぇ」
 と首をタテに振ったのである。
 この返事を引き出すまで、実に2週間もかかっているのだ。

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