愚妻は、フンドシが大嫌いである。
理由はわからない。
いつだっか、
「洗濯を干すのが恥ずかしい」
といったようなことを口にしていたので、たいした理由があるわけではない。
だが、身勝手な価値観で判断してもらっては困る。
フンドシは、和服という日本古来の生活様式にマッチしているのだ。
愚妻を啓蒙しなければなるまい。
で、昨夜。
愚妻が、新潟の酒をチビリとやりながらテレビを観ているところへ、
「おい、なぜわしがフンドシを締めているかわかるか?」
二階から降りていって告げた。
「フンドシはだな、和服の場合、トイレで用を足すときに便利なんだ。特に〝大〟がそうだ。みろ、こうやってしゃがんだときにフンドシを横にズラして・・・」
目の前で実演して見せたところが、
「ちょっと! 人が飲んでいるときに何を見せるのよ!」
いやはや怒るの、怒らないの。
我が夫婦においては、老々介護は不可能のようである。
なぜ、フンドシなのか
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