「わしは60歳だったか?」
「あなた、年々若くなるの?」
「61か?」
「12月で62歳になるのよ」
つい先ほど、愚妻との会話である。
還暦になったときの感慨が大き過ぎて、いまもって60歳の気分を引きずっていたことにハタと気づいた。
「死」というものを本気で考える年齢ということか。
それにしても、
「あなた、年々若くなるの?」
とは、皮肉もキツ過ぎはしないか。
夫婦は〝戦友〟と言うけれど、戦友にもいろいろあるものだと感心しきりなのである。
俗にありて、煩悩を耕す365日
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