「あなたがうらやましわ」
というのが、愚妻の口癖だ。
私は失敗しても懲(こ)りず、落ち込まず。
ものごとを常にポジティブにとらえる〝極楽トンボ〟であることから、
「そのぶん、私が苦労させられている」
と、こぼすわけだ。
「そんなにわしが羨ましいのなら、今度、生まれてくるときは、わしのようになればいい」
と言うと、ちょっと考えてから、
「やっぱり、いいわ」
この一言を、私はどう解釈すればいいのか。
複雑な思いがするのだ。
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