11月に入ったというのに、ポカポカ陽気である。
学生時代、文化祭のときにコートを着た記憶があるので、地球はホントに暖かくなっているのだと実感する。
だが、習慣というのは恐ろしいもので、つい暖房のスイッチを入れてしまう。
それで今朝も、
「ちょっと、この陽気に暖房だなんて、頭がおかしいんじゃないの」
と愚妻に叱られてしまった。
「そんな言い方はないのではないか」
と反論を試みるが、
「じゃ、どう言えばいいの」
キッと柳眉を逆立てられては、白旗を揚げるしかない。
というのも二日ほど前から左の首が痛く、元気も根気もないのだ。
神経が障っているらしく、二ヶ月に一度くらい数日にわたって痛み、原稿もままならない。
暖房を切り、
「おまえは、いつも正しいな」
と、気弱に皮肉を言ったが、もちろん愚妻には通じず、
「あたりまえでしょ。私はいつも正しいことしか言わないわよ」
私は、愚妻の強靱な神経を心底、うらましく思うのだ。
愚妻の強靱な神経
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