以前、ある出版社の編集長が一席設けてくれたときのことだ。
私の食べ物の好みを聞いてくれたあとで、
《Aという店を、6時から予約してあります》
というメールを頂戴した。
もちろん地図が添付してあるのだが、私が感心したのは、
《6時から予約してあります》
という言い方である。
たいていこういう場合、メールでも電話でも
《では、午後6時ということでよろしくお願い申しあげます》
という言い方になる。
これだと、知らせを受け取った人間は、
(6時に遅れないようにしなければ)
と思う。
ところが、
《6時から予約してあります》
となれば、
「6時から予約してありますので、どうぞ遅れても構いませんから」
という〝気づかいのニュアンス〟がある。
だから私は感心したというわけである。
もちろん、時間どおりに行きはするのだが、ここまで気づかいしてくれる神経の細やかさに、私は信頼を寄せるのだ。
一席設けるときの「告げ方」
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