歳時記

七転八倒

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「痛みをこらえながらブログを書く」などとノンキなブログを昨夜書いたが、あれからが大変だった。
 痛いの何の、七転八倒である。
 朝まで唸りどおし。
 座薬を一晩で2回使用した。
 座薬の使用は4時間以上の間隔を空けろと医者が言っていたから、
「痛テテテ」
 と唸りながら時計と睨めっこ。
 横になっているより、ピョンピョン跳ねているほうが気が紛れるので、明け方まで水のペットボトルを片手に、断続的にピョンピョン。
 激痛だが、激痛だからこそ死ぬ気でピョンピョンができることを知った。
 テレビの深夜放送で、女性アイドルグループの音楽番組をやってたので、アップテンポがちょうどいい。
 彼女たちは、よもや千葉の片田舎で、爺さんが自分たちの歌に合わせてピョンピョンやっていようとは、夢にも思うまい。
 愚妻は早々に寝室に引き上げている。
「私がいてもしょうがないでしょう?」
 そう言ったのだ。
 確かにそうだが、3月11日は東日本大震災の日ではないか。
 朝から特番をやっている。
 手は差しのべられなくても、悲しみに寄り添うという気持ちが大切なのだ。
「人の苦しみを我が苦しみとする。これが仏教なのだ」
 と、痛みに顔をゆがめながら愚妻に説いたが、
「あら、そうなの」
 意に介さない。
 結石も、何度もやっていると、同情もされないのだ。
 結局、朝まで七転八倒。
 今日、都内で人に会う約束があったので、メールで事情を話す。
 とても都内までは無理。
 それでも仕事があるので、6時には家を出て、ヨロヨロと道場の仕事場へ。
 実は自宅の自室で仕事をしたかったのだが、
「ピョンピョン跳ねるなら、家より道場のほうがいいでしょう?」
 愚妻に言われて出てきたのである。
 そして、愚妻は昼に電話をかけてきて、
「石、出たの?」
 ノンキな声で言う。
「出ない」
「しつこい石よねぇ」
「コラッ、笑ってるだろ!」
「笑ってなんかいわよ」
「バカ者、その声を笑い声というのだ!」
 いま夜の8時過ぎ。
 まだ右脇腹がシクシクするが、原稿も一段落。
 さて、家に帰るか。

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