歳時記

湯船に浸かれば「妙想飛来」

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 昨夜、九十九里の仕事部屋に来た。
 鍼(はり)のおかけで腰痛が楽になり、温泉健康ランドに入ればもっとよくなるだろうと思ってのことだ。
 ところが、何だかんだ雑用に追われて原稿が予定まで進まず、仕事部屋に来たものの、健康ランドへ行く時間が取れない。
「おまえ、一人で行け」
 愚妻に命じると、
「ハイハイ」
 弾む声で返事して、いそいそと出かけていった。
「私だけ風呂に浸かって悪いわね」
 という気づかいは、むろんない。
「仕事、頑張ってね」
 と励ますわけでもない。
 返事は明るく軽やかに、
「ハイハイ」
 ヘタに気づかわれても迷惑だが、こうもあっさりとした返事をされると、これはこれで嬉しくないものである。
 今日は、近所の旅館にある温泉に入りに行こう。
 健康ランドの賑やかさはないが、お湯はいいし、展望浴場なので九十九里の海が一望である。
 きっと、仕事の知恵も浮かぶことだろう。
「期待なきところに失望なし」
 とは言うけれど、私の場合は、湯船に浸かれば「妙想飛来」。
 だから、どうしても風呂にこだわるのだ。
 
 

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