歳時記

人生は危うく、不確かなもの

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 栃木県鹿沼市で、 集団で登校する小学生の列にクレーン車が突っ込み、6人の幼い命が奪われた。
 道場で多くの子供たちと接する私としては、親御さんたちの気持ちが痛いほどわかる。
 事故は、学校まであとわずかのところで起こり、亡くなったお子さんの祖母は、
「あと30秒、1分ずれていれば誰も死ななくてすんだのに」
 と悔やむ。
 わずか30秒、わずか1分の差で惨事に遭(あ)ったことを思えば、親御さんたちの無念さは察して余りある。
 だが、私たちの人生もまた、ほんの〝一瞬の差〟によって曲折をたどる。
 死と生、幸と不幸の狭間(はざま)を、私たちはヨタヨタしながら歩いているにもかかわらず、そのことに気づかず日々を生きている。
 人生ほど危(あや)うく、不確かなものはないのではないか。
 亡くなったお子さんたちを悼(いた)みながら、そんなことを思うのである。

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