歳時記

避難する外国企業

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 ニュースによれば、銀座の美容室が3月16日から、東日本大震災の影響による東北地方からの避難者を対象にカットの無料サービスなどを行っているそうだ。
 心あたたまる話だ。
 一方、銀座の美容室が無料サービスを始めた翌日の17日、同じ銀座の世界的カジュアル衣料ブランドは、関東地方の10店舗をすべて当面、営業休止。日本支社の法人機能も大阪市内のホテルに移転し、社員やパート社員など家族を含め、2000人規模で関西地域のホテルに避難させると発表した。
 どこへ避難しようと勝手だが、日本人のメンタリティーからすれば、ずいぶんドライな感じがする。
 こういうドライな人たちは、混乱がおさまれば、
「や、どうもどうも」
 と、逃げ出したことは頬っかむりして、厚かましく銀座に帰ってくるのだろう。
 昨日、相撲協会が外国出身力士に改めて待機命令を出した。
 外国人力士に対して、母国から帰国勧告が出ていることに関し、これまで通り待機を命じる方針を示したという。
 経緯はわからないが、不祥事続きの相撲協会としてはアッパレではないか。
 外国人といえども、「国技」を担う相撲取りが、よもや国難においてトンズラするとは思わないが、もし国外に避難したなら、恥ずかしくて二度と土俵には立てまい。
 困難に直面して、人間は本性をあらわす。
 自戒しつつ、そんなことを思うのである。

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