覚醒剤取締法違反で、タレントの小向美奈子容疑者のことが連日、報道されている。
逃亡先のフィリピンと日本間とでは、国外逃亡した犯罪者を引き渡す国際条約が締結されていないため、永住すら可能だという。
《小向容疑者は、いま限りなく〝安全圏〟にいる》
と報じたメディアもあるが、本当に〝安全圏〟なのだろうか。
フィリピンにいれば、覚醒剤を断つことはできまい。
彼女にとってフィリピンは〝安全圏〟ではなく、廃人にしてしまう〝地獄〟と言っていいだろう。
まだ25歳。
人生は、これからが長いのだ。
帰国して罪を償い、覚醒剤を断ち切って欲しいものだ。
私はいま、アルコール依存症の青年とつきあっている。
くわしい経緯は記せないが、保護司活動を通して知り合った青年だ。
気のいい青年で、いっしょにお茶を飲んでいると、私も楽しくなる。
だが、アルコール依存に苦しんでいる。
心底、苦しんでいる。
酒を断とうとしても、コンビニを見ただけで、衝動的に中に駆け込んで酒を買ってしまうのだと気弱な笑みを浮かべる。
私のような〝健常者〟でさえ、酒を断つのは大変なのに、依存症という〝病気の人間〟が断酒するのは至難のワザだろう。
だが、いかに至難であろうとも、酒を断たねば人生を失う。
アルコール依存症だった私の古い友人は、数年前、みずから命を絶った。
小向美奈子さんの報道を目にしつつ、人間が生きていくことの大変さを考えてしまうのである。
依存症という病気
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