今年から、よく噛んで食事をするよう心がけている。
胃腸に負担をかけないということもあるが、食べるのが早いのはガツガツしているようでみっともないと思ったからである。
50回以上を目安に噛むことにしているが、きちんと噛むには、口の中の食べ物を少量にしなくてはいけない。頬張ったのでは〝噛み残し〟ができてしまうからだ。
で、今日。
昼飯のトンカツを〝噛み噛み〟しながら、ふと、
「腰痛の原因の1つは、大股(おおまた)で歩くことで腰が引け、歩行姿勢が乱れることにある」
と、何かで読んだことを思い出した。
人間はうんと昔、道が凸凹して歩きにくいため小股で歩いていたが、道路が舗装されるつれて大股で歩くようになり、これが腰痛の原因にもなっているというのだ。
(そうだ)
と、私は考えた。
口の中へ入れる食べ物も、歩くのも「大」はよくないのだ。
ついでに欲も「大」は身を滅ぼし、「小」でなければならない。
だからお釈迦さんは「小欲知足」と言ったのだろう。
そういえば今日1月15日は「小正月(こしょうがつ)」。
歳時記によれば、小正月は旧暦の正月にあたり、1月15日が新年最初の満月になるそうだ。
元旦が「大正月(おおしょうがつ)」で、15日を「小正月」と呼ぶ。
これまで「小正月」のことなど気にとめたことはなかったが、トンカツを〝噛み噛み〟しながら、「小」がつく「小正月」のほうが、元旦の「大正月」より好ましく思えてくるのだった。
トンカツと「小正月」
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