歳時記

「ちかごろの若い者は」という批判

投稿日:

「叱られる」ということに対する子供たちの反応が、いまと昔とではまるっきり違っていることに驚かされる。
「稽古しなくていいから座っていろ!」
 こう言って叱ると、ひと昔前までは、
「ちゃんと稽古しますから許してください」
 と謝ったものだ。
 ところが、いまはどうだ。
(ラッキー!)
 と喜色を浮かべるのだ。
 喜色どころか、ワルガキともなれば、
「外へ出てなくていいですか?」
 と催促する始末て、これにはさすがの私も当惑させられるのである。
 ところが、そんな彼らに、自分より年下の子供たちを教えさせてみると、
「ちっとも言うことをきかない」
「稽古しない」
「やる気がない」
 と、口々に嘆くではないか。
 嘆く言葉こそ稚拙だが、言わんとしていることは、
「ちかごろの若い者は」
 という熟年の常套句と同じなのである。
 これには私も考えさせられた。
 すなわち人間は世代に関係なく、誰もが自分のことを棚に上げて若年を批判するのである。
 要注意、要注意。

-歳時記

Copyright© 日日是耕日 , 2024 All Rights Reserved.