歳時記

ガキ大将がいなくなった

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 最近、「ガキ大将」がいなくなった。
 空手の指導を通じた私の実感である。
 横並びと言うのか、良くも悪くも突出する子供がいなくなり、代わりに可もなく不可もなくの、おとなしい優等生が増えてきたように思う。
 ガキ大将がいなくなった一因は、リーダーシップの欠如だと思う。
「オレの言うことを聞け」
「オレにまかせろ」
「オレについてこい」
 牽引する子供がいなくなったのだ。
 なぜか。
 責任を取りたくないからだ。
 ガキ大将は威張る反面、グループを率いる責任がある。
 イタズラがバレたときは、首謀者としてこっぴどく叱られる。
 他のグループとケンカするときは、矢面に立たなければならない。
 つまり、損得といういまの子供たちの価値観からすれば、ガキ大将は割りにあわないわけだ。
 ガキ大将は「いなくなった」のではなく、「なり手がいなくなった」ということなのである。
 事なかれ主義の子供たちには、チャレンジ精神が希薄だ。
「余計なことをして失敗するよりは、やないほうがいい」
 と考える。
 そんな子供が、果たして魅力ある人間に育つだろうか? 人生の勝者になれるだろうか?
 答えは言うまでもないだろう。
 私たち大人も、いや血気盛んなはずの若者も同じだ。
「周囲との協調」ということを第一義に考えているように見えて、実は「事なかれ主義」に過ぎないのである。
 いま、鳩山総理のリーダーシップが問われている。
 小沢幹事長の豪腕が取り沙汰されている。
 要するに「優等生」と「ガキ大将」の違いなのである。 

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