今日の午後、歯医者へ行った。
歯石を取ってもらってから、
「私のはなぜ黄色くなるんでしょうか?」
と懸案のことを医者にきいた。
「ウーン」
と、人の良さそうな医者はうなってから、
「まっ、こんなもんじゃないですか」
関心のなさそうな声で言った。
「こんなもんですか」
「ええ、こんなもんです」
「先生、そこをなんとか白くするにはどうしたらいいんでしょう」
「もちろん白くする方法はありますが、若い人ならともかく、あなたの場合は年齢から言って、アハハハ」
「アハハハ」
笑うしかないですな。
それでも医者は私の心中を察してか、
「いい歯をしてらっしゃいますね。まったく問題なし」
とホメてくれたのだった。
医院から帰途、
「まっ、こんなもんじゃないですか」
という医者の言葉を反芻しながら、
(これはいい言葉だな)
と思った。
ベストもベターも求めず、原因を究明することもせず、
「まっ、こんなもんじゃないですか」
と現状を甘受する。
そう嘯(うそぶ)いてカラカラと笑えば、〝人生の壁〟など無縁になるのではないか。
歯医者へ行ってよかった。
そして、歯医者へ行ってみると
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