歳時記

心の〝健康〟ということ

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 同世代と話をすると、健康のことが話題に出るようになった。
 秋口という気分的なものもあるのだろうが、やはり年齢からくる話題だろう。
 血圧が高いとか、尿酸値がどうとか、血糖値がどうとか、あれこれ披露し合って、
「やっぱり健康が第一だね」
 という結論に落ち着く。
 しかし、「身体の健康」についてはマジメに考える一方、「心の健康」について考えることは少ないようである。
 すべては心の持ちようが決めるということからすれば、身体よりもむしろ「心の健康」が大事ではないだろうか。
 となれば、身体と同様、心もまたトレーニングが必要ということになる。
 身体の健康のためにウォーキングに精を出すなら、〝心のウォーキング〟も必要であるということだ。
 食生活に気をつけるなら、日々の対人関係や心の処し方に気を配らねばなるまい。
 価値観、人生観を、しかと確立しなければなるまい。
 ただ、そんなことをつらつらと考えつつも、
(しかしなァ)
 という思いもよぎる。
 身体も心も健康は大事ではあるが、こだわり過ぎては本末転倒。
 健康であろうとするために、かえって苦しい人生になる。
〝健康餓鬼〟になってはなるまい。

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